2010.10.30-11.2 錦川カヌー
10/30
- 雨の東京を出発。いま紀伊半島沖に台風がいる。岩国には上陸しないだろうが、そこに着くまでのどこかで、乗っている新幹線が止まったりしないかと心配する。しばらく雨足が強かったが、名古屋あたりで雨が上がった。のぞみは時刻表どおりに走って広島に到着。こだまに乗り換えて新岩国へ。こだまはぼろいが、指定席車には元グリーン車の車両が使われていた。すぐに降りるけど。
- 前回も利用した喫茶店アリスで昼メシ。ヤマト運輸で荷物を受け取って御荘駅まで運び、清流線に乗って上流へ。曇っているためよくわからないが、水質はかなりよさそうだ。
- 根笠の河原でカヌーを組み立て、14:40に出発。微風。雨は降っていないが、日がさしていないので、どうも気分が上がらない。思っていたとおり水はきれい。しかし水量はとても少なく、普通ならなんでもないところが浅瀬になっていて、早くもフネを降りて歩くことになる。今回は浅瀬で苦労しそうだな。
- 新南桑橋で上陸。テントを張って、食料調達と晩飯に出かける。橋を渡り、左岸を歩いて南桑駅へ。前回は工事中だった堤防は完成していた。堤防というより城壁と言ってよいできばえで、一体どこと戦争するんだと思った。清流線に乗って、上流へ。車内に張ってあったポスターによると、今年で岩日線開通50周年なんだそうで、あす錦町駅前で記念イベントをやるそうだ。
- 終点の錦町で下車。サンマート(レジ袋が有料なので注意)で食料とビールの買い出し。その後、駅に隣接している「キッチンぱどる」で晩飯。肉野菜炒めとオムレツで一杯。マスターはカヤック乗りで、川の話をいろいろ聞いた。山陰に注ぐ高津川がなかなかよいそうだ。電車の時間になったので、裏口のドアを開けて清流線のホームに出た。ものすごく便利だ。
10/31
- 朝起きたら青空が見えた。よしよしと思って朝メシを食っているうちに曇ってきて、雨まで降り出した。昨日の天気予報では、今日は曇りのち晴れと言っていたようだが。南桑で177にかけてみると、所により一時雨とかむにゃむにゃ言って、何だかはっきりしない。もういい。明日以降は晴れるようなので、今日は停滞決定。ヒマなので、岩日線50周年記念イベントを見物すべく、また錦町へ向かうことにした。
- 清流線は普段は一両か二両だが、今日は四両編成で走るそうだ。車両が足りないのでJRから借りるらしい。それはめったにない大事件らしく、こんな山あいの町にも鉄道ファンが何人も出現し、南桑の橋の上でカメラを構えたりしている。そんななか列車が到着して、乗り込んだ。昼前の中途半端な時間だというのに、車内には人がたくさん詰まっている。
- 錦町に着いた。メインストリートをしばらく歩いたところにある広場で猪鍋を食い、小雨の中、周辺を散歩して駅前に戻ると、岩日線とどう関係があるのかわからないが、何やらファッションショーをやっていた。またキッチンぱどるでコーヒー。3時過ぎ、上りの電車が来たので乗り込んだ。
- 河原に戻って晩飯を作っていると、日がさしてきて、対岸に見える橋桁が黄に染まった。メシを食ったら暗くなってきたのでテントに入り、寝袋にもぐって読書。津原泰水の「ブラバン」。冒頭でいきなり人が死んだのでミステリーなのかと思ったらそうでもなく、地味に話が進むのであるが、楽器の蘊蓄などが語られていて飽きない。ときどき入る小ネタも楽しい。エレキ化したコントラバスをうっかり最大音量で鳴らしてしまったときの「天使が見えた」なんて最高だ。
- 外に出たら星空だった。新月なのでよく見える。もやもやしている雲みたいなのは、ちっとも動かないので雲ではなさそうだ。あれが天の川か。まともに見たのははじめてだ。
11/1
- 翌朝。晴れたが、たまに強い風が吹く。出発の準備をしていると、突風でカヌーが転がってきてテントを直撃した。去年はこれでテントポールが曲がった。今年も風で苦労するのか。やだなあ。
- 出発してすぐのヤナ。船通しがあるが、水深がないせいで横木に船底がつかえたので、一旦降りてフネを持ち上げて通過。
- 南桑の学校下で上陸。片山酒場でビールを補給する。昔はここでキャンプした。春はツツジの植え込みがとてもきれいだった。今でもキャンプできなくはないが、城壁の下ではまるで風情がない。また漕ぎ出す。
- 南桑の先で二つ目のヤナ。これも底がつかえそうだったので、またフネを押したり引いたりしてヤナを乗り越える。結構流れがあるので苦労した。そしてようやくビールを開ける。ものすごくのどが渇いていたので、しばらく言葉も出ないうまさであった。
- 晴れてはいるが時折強い風が吹く。追い風なのでフネは進むが、寒い。
- たしか北河内の少し先の右カーブのところに、いい感じの河原があった。
- 行波で上陸して休憩。江木商店で食料を追加購入。地物のでかい松茸のでかさにちょっと笑った。
- 二本の沈下橋でそれぞれ休憩して先を急ぐ。明日錦帯橋で上陸するので、今日はきっちり漕いでおかなければならない。たびたび出現する浅瀬とヤナに苦しみながら、予定通り田原の通称「すばらしい河原」に上陸。前回は砂利が流されてあまりよろしくなかったけれど、今回はすばらしさが復活していた。どうも、川底を浚渫した砂利を積んで河原を作っているらしい。
- ハムステーキ、野菜炒め、目玉焼きの夕食後、テントの中でジンをなめつつ読書。日経サイエンスで、ノーベル賞を受賞したクロスカップリング反応の記事を読む。が、酔っ払っているのでちっとも頭に入らない。
11/2
- 翌朝、晴れ。釣り人が河原に現れてルアーを投げている。マスでもかかるのかな。と思って聞いたら、ルアーではなく、鮎をひっかけてるんだそうな。
- 散歩のおばちゃんに、去年も来ていたねと言われた。
- 出発するあたり風が吹き出した。昨日は追い風だったが今日は向い風で苦しむ。
- 三本の橋をくぐった先の左カーブのところに、鮎師が何人もいた。その一人が何やら呼びかけてくる。文句を言われるのかと思ったが、アウトコースの岸近くの水を叩いて音を出してくれとのこと。お安い御用、とユーコン川でガイドの兄ちゃんに教わった技を使ってバシバシ水面を叩いた。
- 高速道路のサイドウォールエリアを越えてしばらく進み、山の上のお城が見えたら、もうすぐゴールの錦帯橋である。最後まで水は透明なままだった。
- 今回はじめて、国際観光ホテルの温泉に行ってみた。1700円と少々お高いが、とてもよい。ホテルの最上階にあり、露天を含め何種類も湯船があって、人はあまりいない。
モドル